「少しでも安くリフォームをしたい」と考え、リフォーム費用を安くする方法を模索されている方も少なくないはずです。
リフォーム費用を安くするには次のような方法があります。
- 建材や設備のグレードを下げる
- 施工方法を指定する
- リフォーム減税や補助金を使う
- 複数社に見積もり依頼する
- 値下げ交渉する
このような方法も一定の効果はあるのですが、リフォーム業界の仕組みを知って正しいリフォーム業者に依頼することで最も安くリフォームを成功させることが出来ます。
今回はリフォーム業界の仕組みとリフォーム業者の選び方についてお話します。
リフォーム業者の種類は3つ
リフォーム業者の種類は主に3つありますが、選び方を間違えると100万円の工事が倍の200万円になったり、正しく選ぶと100万円と思っていた工事が実は半額の50万円だったということも珍しくありません。
リフォーム業者の選び方はリフォーム費用を安くするために最も重要なポイントですので、リフォーム業者の3つの種類を是非とも知っていただきたいと思います。
- 職人さん(個人事業主)
- 工事店(工務店・塗装店など)
- 大手のリフォーム会社
① 職人さん(個人事業主)
職人さんは「大工」「とび」「土木」「解体工」「電気工」「配管設備工」「塗装工」「左官工」「鉄筋工」「内装工」「造園工」など各業種のプロフェッショナルです。
そして如何なるリフォーム工事でも実際に作業されるのは職人さん達で、職人さんの日当の相場は大体決まっているのです。
業種や仕事内容によって多少異なりますが、職人さんの日当15,000円~18,000円が福岡の相場になります。
1ヶ月で25日働いたとして、375,000円~450,000円の月収、450万円~540万円の年収ですから一般的な収入額といえるでしょう。2022年の年収平均ランキングの115位~260位ぐらいですから決して高い年収ではありません。
これ以上、日当の相場が下がってしまったら、職人さん達は仕事を続けていけないという最低限の日当金額が15,000円~18,000円ということです。
そして職人さん達は、この日当代をベースに見積書を作成します。
例えば、「3日間かかりそうだな」と思ったらまずは日当代を18,000円×3日間で54,000円。次に「3万円の材料が必要だな」ということで材料代が30,000円。加えて諸経費(運搬費・通信費・機械や道具の消耗品代など)が5,000円。小計89,000円に消費税(10%)で合計97,900円という感じです。
- 日当18,000円×3日間 54,000円
- 材料費 30,000円
- 諸経費 5,000円
- 消費税(10%) 8,900円
- 合計97,900円
もちろん工事の内容によって材料費は変わりますが、概ねこのような感じで見積書を作成します。
職人さんの「日当代」、工事に必要な「材料代」、現場経費となる「諸経費」、納税するための「消費税」。リフォーム工事に必要な費用はこの4つだけであり、これが最も安いリフォーム業者で最も理想的な費用になります。
この例を用いて話を進めますので、合計97,900円という金額を覚えておいて下さいね。
② 工事店(工務店・塗装店)
工事店とは、職人さんを2~3人や4~5人雇っているような会社組織です。大工工事を専門とする会社は「工務店」、塗装工事を専門とする会社は「塗装店」ですね。
もちろん工事店は職人さんの集まりですから、先述した例と同じリフォーム工事を施工することができるのですが、先ほどと同じ合計97,900円という金額で請け負うのは不可能です。
工事店は会社組織なので、会社としての経費や利益を確保しなければいけません。97,900円というのは「日当代」「材料代」「諸経費」「消費税」の合計金額ですから、97,900円で請け負ったら会社の経費や利益が出ないというわけです。
事務所の経費(家賃・水道光熱費・通信費など)、人件費(事務員さんの給料など)、社用車の維持費などを確保するため、工事店は工事店の利益を上乗せしなければいけないのです。
工事店の利益を20%とします。
- 日当18,000円×3日間 54,000円
- 材料費 30,000円
- 諸経費 5,000円
- 工事店の利益(20%) 17,800円
- 消費税(10%) 10,680円
- 合計117,480円
全く同じ工事なのにリフォーム費用は、19,580円も高くなるのです。
③ 大手のリフォーム会社
大手のリフォーム会社になると、リフォーム費用はもっと高くなります。
大手のリフォーム会社というのはリフォーム工事の営業会社で、社員はスーツと革靴を履いてデスクワークをしている営業マンです。現場でリフォーム工事の作業をすることは一切ありません。
大手のリフォーム会社は下請けの工事店に仕事を外注するのですが、先ほどと同じように、工事店の見積もり金額、合計117,480円ではリフォーム会社の利益にならないため、その金額からさらにリフォーム会社の利益を上乗せするのです。
大手のリフォーム会社は経費も利益も大きく、事務所は一等地のオフィスビル、社員寮、社会保険料や通勤定期代、賞与、退職金、社員旅行、街中の看板広告やWeb広告費、テレビCM、チラシやパンフレット、接待交際費、事業融資の返済金など、多くの経費と利益が必要になるのです。
大手リフォーム会社の利益を45%とします。
- 日当18,000円×3日間 54,000円
- 材料費 30,000円
- 諸経費 5,000円
- 工事店の利益(20%) 17,800円
- 大手リフォーム会社の利益(45%) 48,060円
- 消費税(10%) 15,486円
- 合計170,346円
同じ工事を依頼しても、②工事店の利益と、③大手リフォーム会社の利益が上乗せされることで、①職人さんと比較して1.74倍、72,446円も高くなるのです。
これはリフォーム費用が大きくなっても変わりません。
①の職人さんに依頼すると100万円の工事だったら③の大手リフォーム会社は174万円、200万円だったら348万円、300万円だったら522万円、400万円だったら696万円、500万円だったら870万円ぐらいになり、金額が大きいほどその差額も大きくなりますよね。
リフォーム費用を安くするならリフォーム業者の選び方が最も重要です。
大手リフォーム会社を選んだ時点で、「建材や設備のグレードを下げる」、「施工方法を指定する」、「リフォーム減税や補助金を使う」、「複数社に見積もり依頼する」、「値下げ交渉する」などのテクニックを用いても焼け石に水、あまり効果はないでしょう。
まとめ
以上、福岡のリフォーム費用を1番安くするリフォーム業者の選び方です。
リフォーム業界の仕組みを知ると、リフォーム費用を安くするならリフォーム業者の選び方が最も重要であると知っていただけたと思います。
「新聞に安そうなチラシが入っていたから」や、「インターネットの広告で見つけたから」、「誰でも知ってる有名なリフォーム会社だから」という理由でリフォーム業者を選ぶと、数十万円~数百万円も高いリフォーム費用になりますのでご注意ください。