将棋の「王手」と「詰み」の意味は?「必至」と「詰めろ」の違い

将棋の「王手」と「詰み」の意味は?「必至」と「詰めろ」の違いは? コラム
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将棋を始められたばかりの方は、「王手されたら負け?」、「詰みって何?」と思われているかもしれませんね。

また、将棋のルールを覚えるときには「必至と詰めろって同じじゃないの?」と疑問に思われる方も多いです。

「王手」と「詰み」の意味、そして「必至」と「詰めろ」の違いについて、初心者向けに解説しています。

将棋の「王手」と「詰み」の意味

「王手」とは?

「王手」とは、次に相手玉を取ることができる状態です。

将棋の王手

先手が▲5三歩と王手をかけた局面。

このままだと後手玉は取られてしまうため、後手は王手を回避しなければいけません。この場合、△同玉と王手されている歩を取るか、5二の地点から玉を動かすことで王手を回避できます。

王手をかけたら勝ち、王手をかけられたら負けになるわけではなく、王手には回避できる王手があるということですね。

王手を回避する方法は3つです。

  1. 王手されている駒を取る
  2. 王手されている駒の利きから逃げる
  3. 王手されている駒の利きを合駒で受ける

「詰み」とは?

「詰み」は王手の一種ですが、回避できない王手です。

将棋の詰み

先手が▲5二金と王手した局面。これは詰みの中で最も基本的な形「頭金(あたまきん)」です。

後手には王手を回避する手段がありません。王手されている5二の金を取ることも、利きから逃げることも、合駒で受けることもできないため、「詰み」という形で先手の勝ちになります。

また、最後の一手まで指さなくても、「あと3手で必ず詰む」という形を「3手詰み」といい、自玉の詰みが見えた時点で投了することもあります。

将棋の「詰めろ」と「必至」の違い

「詰めろ」とは?

「詰めろ」とは、何もしなければ次に詰ませられる状態です。

将棋の詰めろ

先手が▲5三歩と「詰めろ」をかけた局面です。

先手の持ち駒に「金」がありますから、後手が何もしなければ、次の先手の番で▲5二金と打って「頭金」の形で詰みとなるので先手の勝ちになります。

この場合、詰めろをかけられた後手の応手は4つです。

  1. 次の▲5二金打に備えて玉を早逃げする
  2. 持ち駒を使って5二の地点を受けておく
  3. △5五飛打など、王手と5三の歩の両取りで5三の歩を取る
  4. この瞬間に先手玉を詰ます

先手が▲5三歩と指した局面は、後手玉に対する「詰めろ」ではありますが、王手でも何でもない局面です。この瞬間に先手玉を詰ませることができると一手差で後手の勝ちになります。

この場合、先手玉に詰みがありますから、後手の正着として「この瞬間に先手玉を詰ます」というのがベストですね。

一例ですが、次のような7手詰みがあります。

  1. △5七飛
  2. ▲5八金
  3. △3九飛
  4. ▲6八玉
  5. △7九角
  6. ▲7八玉
  7. △8八金

将棋の7手詰み

自玉に詰めろをかけられた場合、まずは相手玉の詰みの有無から確認したいです。

相手玉の詰みを発見できなかったら、自玉にかけられた詰めろを解く手順を考えましょう。

相手玉に詰めろをかけたつもりが、その一手前に自玉に詰めろをかけられていて詰まされることもあるので、詰めろをかける時は、まず自玉に詰みがないかを確認することが大切です。

また、盤上の駒を取った瞬間に「詰めろ」がかかる事もあるので、「詰めろ」をかける為に必要な駒は何なのかを考えて、質駒があれば取って「詰めろ」をかける。反対に何の駒を渡したら自玉に「詰めろ」がかかるので渡せないなども考えましょう。

「必至」とは?

「必至」は詰めろの一種ですが、どう受けても次に必ず詰ませられる状態です。

将棋の完全必至

先手が▲7二金と指した局面。最も基本的な左右挟撃型の必至です。

この場合、次の▲4一金打、▲4二金打、▲6一金打、▲6二金打という先手の4つの狙いを後手は同時に受けることは絶対にできません。

極端な例えですが、この局面の後手を藤井聡太さんが持っていたとしても、後手の持ち駒が全種類1万枚あったとしても、次の先手からの王手で必ず詰ませられる形、それが完全な必至です。

必至をかけられた後手は、この瞬間に先手玉を詰ますしかありませんが、先手玉の穴熊は王手すら出来ない絶対に詰まないZ(ゼット)の形なので後手に勝機はありません。

部分的に必至の形は解くことができる

部分的には必至の形だけど、完全必至じゃなければ解くことができる場合があります。

部分的な必至

先手が▲7二金と指した局面。部分的には左右挟撃型の必至の形です。

しかし、1九の先手玉に王手がかかる形なので、7二の金を抜くことができます。

将棋の両取り

当然ながら、後手は△7九飛打として王手金取りの両取りをかけます。

先手は持ち駒の金を使うと後手玉に対する詰みが消えるので、我慢して▲3九銀で王手を受けるぐらいです。▲3九金には先手玉に11手詰みがあります。

将棋の金を取られる

後手は△7二飛成として、後手玉に対する部分的な必至の形が解けました。

これは解りやすい図にしてみましたが、実戦では王手の連続によって部分的な必至の形になっている駒を抜くことができる場合があります。

そのようにして解ける場合は必死とは言いません。

まとめ

以上、「王手」と「詰み」の意味、そして「必至」と「詰めろ」の違いについてでした。

将棋を知らない人にとっては「王手」と「詰み」の意味が分かりづらいでしょうし、将棋のルールを覚えるときは「必至」と「詰めろ」の違いも複雑で難しいですよね。

でも、理解が深まるともっと将棋が楽しくなるのでぜひ覚えてみてください。

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