「お酒をやめると人生が変わる」というと大げさかもしれませんが、20代・30代を振り返ってみると、若い頃と同じようなお酒の飲み方をしていると、40代・50代も同じような生活を送るのではないかと思っています。
これまでの人生を後悔しているわけではありません。
ただ、40代は人生の折り返し地点ですから、これから経験するであろう“何か”に対してベストコンディションで臨みたいと考えています。
20代は何も考えずに毎日大量のお酒を飲みました。30代は健康を考えて休肝日や禁酒を定期的に行いながらお酒を飲みました。
40代となった今、50代・60代を見据えて自分の人生を考えながらお酒と付き合っていく必要があるのだろうと、そう思っているわけですね。
禁酒で得られるものは「健康」「お金」「時間」です。
人生を豊かにする上で、「健康」「お金」「時間」は絶対に欠かせないものです。
お酒を飲む理由が減って、お酒によるリスクが高まる40代だからこそ、禁酒について真剣に考えたいと思います。
お酒をやめると人生が変わる
40代になるとお酒を飲む理由が急激に減ったように思います。
20代・30代の頃は、居酒屋で友達と楽しく飲んだり、仕事帰りに同僚と愚痴を言いながら飲んだり、女性がいるお店に行って飲んだり、毎日晩酌して日々のストレスを解消するなど、何かしらの理由がありました。お酒を飲まないとメンタルが落ち着かないというアルコール依存症も理由の1つでしょう。
しかし、一通り経験してきた40代になると、お酒を飲むことに「もう飽きた」と感じることが多くなってきました。
どんなシチュエーションでお酒を飲んでも新鮮味を感じられず、経験則から未来を予測できるので退屈に思うわけですね。
例えば、「この料理にはこのお酒が合う」とか「この人と飲むとこういう話になる」、「このお店はこういう雰囲気で飲める」、「これ以上飲むと明日二日酔いになる」など、一時的には有意義な時間を過ごせるかもしれませんが、ある程度を予測できるため新鮮味がありません。
一方、40代になるとお酒によるリスクは高まります。
健康リスクはもちろん、お金や時間を浪費するリスクも高まるため、40代だからこそ禁酒によってリスクを減らしていく必要があると思っています。
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禁酒で得られる「健康」
お酒が原因の病気といえば、アルコール性肝炎や脂肪肝、肝硬変や肝がんなどが有名ですが、お酒が全ての病気の原因になっているといっても過言ではありません。
直接的な原因だけでなく、お酒の飲み過ぎによる「肥満」から様々な病気を引き起こすような間接的な原因も含めてです。
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詳しい病気の話は割愛しますが、病気リスクは40代が背負うには大き過ぎるリスクです。
平均寿命でいうと、40代は人生の折り返し地点です。
野球なら5回裏が始まるところ、サッカーなら後半戦が始まるところです。
「さぁ、これから!」という時に主力選手が次々と怪我をして交代していく。40代で病気のリスクを抱えるというのは、そういうことかもしれません。
40代まで積み上げてきた「経験」「実績」「知識」「スキル」「人間関係」「貯蓄」「資産」などを次のライフステージで生かすために病気リスクは最小限に抑えたいですね。
私はこれまで何度も禁酒をしてきて、禁酒で得られる効果を実感していますから、これからも病気リスクを抑えるために禁酒を続けていきたいと思います。
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禁酒で得られる「お金」
禁酒で得られる「お金」というと、まずは浮いた酒代が思いつきますよね。
20歳から40歳まで毎日1,000円の酒代を使っていたとすると、20年間で730万円にもなります。
私の場合、1日1,000円ということはないと思うので、1,500万円~2,000万円ぐらい使っていると思います。
ため息が出ますね……。
40歳から60歳までの20年間、また同じ金額を使う勇気は私にはありません。
近年、円安や材料費高騰の影響を受け、値上げラッシュの物価高ですし、消費税増税や新たな税制が導入される可能性もあるため、これまでの20年よりこれからの20年のほうが酒代に使う金額は確実に多くなるでしょう。
また、40代になってお酒に対する価値観が変わったというのも大きいです。
20代・30代の頃は、お酒を飲むことで何かしらのメリットを感じていました。
例えば、誰かに食事をご馳走することで私の自尊心や承認欲求が満たされるなど、お酒とは直接関係はないけれど、お酒を飲むことで付随的に得られるメリットのようなものです。
居酒屋でお酒を飲むのもそうですよね。
生ビール1杯500円って普通に考えると高いですけど、居酒屋で食事することで、美味しい料理を食べられる、自分で調理する必要がない、自分で片付ける必要がない、だから友人との楽しい会話に集中できるなど、何らかのメリットがあるから生ビール1杯に500円を払っても惜しくないと感じるわけですね。
しかし、40代になると今までメリットと思っていたことに価値を感じなくなり、「生ビール500円って高いな」と思うようになりました。
自粛期間もあって「コンビニでお酒を買って宅飲みかな」、「いやいや、コンビニよりスーパーのほうが安いよな」と、お酒に対する価値観は下がり続け、今では自分で自分の為にお酒を買うことは一切なくなりました。
ケチになったわけではありません。お酒好きな友人にはお酒をプレゼントしたり、友人が経営している居酒屋にはソフトドリンクや料理で売上貢献するようにしています。
お酒に対する価値観が変わり、お金を払ってまでお酒を飲みたいと思わなくなったわけですね。
禁酒で得られる「時間」
学生時代や20代の頃を思い出してみると、つい最近の出来事のようで、気が付いたらいつの間にか40代になっていたという感覚があります。
小学生の頃の1年間という時間はとても長く感じていましたが、20代の10年間は小学生の5年間に相当するほど短く感じ、30代の10年間は小学生の3年間に相当するほど短かったように思います。
そして気が付いたらあっという間に40代です。「気持ちは28歳」という言い回しは案外的を得ているのかもしれません。
これは歳を取れば取るほど時間を短く感じる「ジャネーの法則」と呼ばれる現象ですが、40代の10年間はもっと短く、おそらく小学生の2年間に相当するぐらいでしょうか。
そう考えると人生の時間は非常に貴重なのですが、お酒を飲むことで貴重な時間を浪費してしまうと思うようになりました。
まず、お酒を飲んでいるときの時間の経過スピードは非常に早く、2~3時間は一瞬、5~6時間もあっという間に過ぎてしまいます。
そして、その数時間は無意味であることが多いです。
例えば、飲み過ぎて前日の記憶がないというのもそうですが、お酒を飲んだときは特別な出来事がない限り、記憶に残ることがありません。
「あの居酒屋に行ったのは今年だっけ?去年だっけ?」、「誰と行ったんだっけ?」、「何の話をしたんだっけ?」、「料理は何が美味しかったっけ?」というように、自分でも怖くなるほど何も思い出せないことがあります。
このように思い出せない、記憶に残らないというのは、「経験をしていない」と言い換えることもでき、お酒を飲んでいる時間を人生の糧にするのは難しいのです。
40代に残されている時間は40年程、ジャネーの法則によって時間の短さは年々加速していくのに記憶を失くしている場合ではない、もっと有意義なことに時間を使いたいという想いが強くなっています。
60歳になった時、人に語れる話が「若い頃の自慢話」と「天気の話」だけでは悲しいですからね。
「健康」「お金」「時間」を犠牲にする価値
ここまで「健康」「お金」「時間」は禁酒で得られるという話をしてきましたが、私は一生涯お酒を飲まない断酒をするつもりはありません。
矛盾しているように思われるかもしれませんが、人生における損得勘定です。
「健康」「お金」「時間」を犠牲にする価値があるから得と判断したらお酒を飲むでしょう。
例えば、子供がお酒を飲めるようになったら一度は一緒に飲んでみたいと思いますし、実家に帰省した時は、親が元気なうちにお酒を酌み交わして語り合いたいなど、人生の中でその時にしか出来ないようなことは「健康」「お金」「時間」を犠牲にする価値があるのではないかと思います。
まとめ
以上、お酒をやめると人生が変わるかも?というお話でした。
人生が変わるかは分かりませんが、人生は楽しまないと損だと思っています。
「お酒が人生最大の楽しみなんだよ!」という方もいると思います。
もちろん否定はしませんが、「健康」「お金」「時間」のどれか1つでも欠けると楽しい人生は難しいでしょう。
「このままの人生でいいのかな?」と漠然とした悩みがある方は、禁酒にチャレンジしてみると何か新しい発見があるかもしれませんね。