「将棋初心者がアマチュア初段になる」というと難しく思われるかもしれませんね。しかし、正しい勉強法を効率よくするだけで誰でも簡単にアマ初段になることが出来ます。
将棋アマ初段に才能や頭の良さは関係ありません。必要なのは将棋に費やす時間だけです。
昭和や平成の時代は、将棋道場や将棋教室に通って勉強するなど膨大な時間を必要としましたが、令和になった今、将棋ソフトやAI(人工知能)、インターネットとスマートフォン、将棋アプリ、YouTubeやABEMAの将棋チャンネルなどがあるため、将棋に費やす時間も大幅に短縮され、誰でも簡単に将棋初段になれる環境が整っているのです。
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学校や仕事、家事や子育てに忙しい人でも、早ければ1ヶ月、遅くても6ヶ月程でアマ初段になれる具体的な勉強法について解説します。
将棋アマ初段を目指す方法
「将棋アマ初段」といっても、将棋倶楽部24で初段、将棋ウォーズで初段、将棋クエストで初段、将棋道場で初段、日本将棋連盟の発行する初段免状を取得など基準は様々です。
基準は様々ですが、将棋アマ初段というのは大差ない棋力なので、自分が使いやすいアプリなどで初段を目指すと良いでしょう。
戦法・戦型は1つに絞る
勉強時間の分散を避けるため、初段になるまでは戦法・戦型を1つに絞るのが効果的です。
将棋には「居飛車」と「振り飛車」の二大戦法があり、さらに複数の戦法・戦型、多くの分岐点や様々な変化があります。
居飛車の戦法
- 矢倉(24手組、3七銀戦法、脇システム、森下システム、雀刺し、急戦矢倉、etc…)
- 角換わり(棒銀、早繰り銀、腰掛け銀、一手損角換わり、筋違い角、etc…)
- 相掛かり(棒銀、塚田スペシャル、中原流相掛かり、ひねり飛車戦法、etc…)
- 横歩取り(相横歩取り、△4五角戦法、△3三角型、青野流、勇気流、etc…)
振り飛車の戦法
- 四間飛車(藤井システム、ノーマル四間飛車、角交換四間飛車、立石流、レグスペ、耀龍四間飛車、etc…)
- 三間飛車(石田流、早石田、升田式石田流、中田功XP、真部流、トマホーク、etc…)
- 向かい飛車(ダイレクト向かい飛車、メリケン向かい飛車、坂田流向かい飛車、etc…)
- 中飛車(原始中飛車、ゴキゲン中飛車、ツノ銀中飛車、英ちゃん流中飛車、etc…)
このような戦法・戦型の定跡に加え、囲い方、急戦や持久戦、奇襲戦法やB級戦法、部分定跡など様々な変化すべてを勉強するのは大変です。
目標が「プロ棋士」というのなら話は別ですが、目標が「将棋アマ初段」なら、広く浅く勉強するのではなく、狭く深く勉強するほうが効率が良く、1つの戦法・戦型を極めることで将棋アマ初段になれるということですね。
初心者におすすめの戦法は「ノーマル四間飛車」
初心者におすすめの戦法は「ノーマル四間飛車」です。
ノーマル四間飛車はプロ間ではほぼ絶滅している戦法ですが、アマ初段を目指すならノーマル四間飛車がおすすめです。
ノーマル四間飛車の良いところは相手の戦型を対策しやすい点です。
こちらがノーマル四間飛車だった場合、奇襲戦法や力戦型を除き、相手の戦型は「居飛車急戦」、「居飛車持久戦」、「相振り飛車」の主に3パターンです。
この3パターンを対策するだけで、先手後手に関係なく、初段を相手にしても互角以上の序盤で戦える可能性が非常に高いです。
これが例えば、「矢倉の3七銀戦法」に絞ったとすると、相手の戦型や手番の関係によって「対振り飛車」や「角換わり」、「相掛かり」、「横歩取り」の将棋になってしまい、そもそも矢倉が出来ない、矢倉になっても急戦矢倉の将棋になるなど、勉強したことが生かせなかったり、対策する範囲が広がって勉強量が増えてしまいます。
ノーマル四間飛車は相手の戦型を対策しやすいからこそ、初心者でも指し手が分かりやすいという特徴があります。
- 初手▲7六歩、3手目▲6六歩、5手目▲6八飛車
- △8五歩が来たから、▲7七角
- △8六歩、▲同歩、△同角と来たから、▲8八飛車
- △7五歩が来たから、▲7八飛車
一例ですが、このように暗記するだけで序盤の指し手に悩むことが無くなります。
また、左銀の使い方も「7八銀型」、「6七銀型」、「6六銀型」、「5六銀型」の主に4パターンで分かりやすいです。
- タイミングを見計らって▲6五歩を突きたいから「7八銀型」
- ▲7八飛車や▲8八飛車を用意しておきたいから「6七銀型」
- 積極的に攻め筋を見せていきたいから「6六銀型」
- ▲4五銀やダイヤモンド美濃を含みにしたいから「5六銀型」
これも一例ですが、指し方の方針と銀の使い方が分かりやすいですね。
囲い方も「片美濃囲い」、「本美濃囲い」、「高美濃囲い」や「ダイヤモンド美濃」、「銀冠」と進展性があるため、対急戦と対持久戦のどちらにも対応しやすく、間合いも取りやすいので指し手に困らないでしょう。
ノーマル四間飛車は基本的に守りの戦法なので、居飛車側の急戦「棒銀」や「斜め棒銀」、「4五歩早仕掛け」、「山田定跡」、「鷺宮定跡」の対策は必要になりますが、逆に言い換えると、それぐらいの対策でも初段を相手に互角以上の序盤を戦えるということです。
先述した通り、ノーマル四間飛車を極めても高段者相手には通用しないかもしれません。
しかし、初心者が将棋を始め、初段を目指すには最適な戦法だと思います。これから将棋を覚える方、なかなか初段に上がれないという方はノーマル四間飛車を試してみては如何でしょうか。
将棋の「序盤」「中盤」「終盤」の考え方
将棋には「序盤」「中盤」「終盤」があります。
「序盤」とは、自分の玉を囲って守りを堅めたり、攻めの準備をする駒組みの段階で、駒が本格的にぶつかり合っていない状況です。
ただし、相掛かりの一歩交換や角換わりの角交換などは定跡の範囲内なので序盤です。
「中盤」とは、自分から仕掛ける、または相手から仕掛けられることによって激しい攻防が始まるところから中盤です。駒を捌いたり、駒得や成り駒を目指し、相手より少しでも優位に立てることを考えます。
「終盤」とは、将棋の最終目標である「相手玉を詰ます」ことを意識する段階で、詰ます為に必要な持ち駒、駒の配置、有効な詰めろや必至、自玉の安全度の確認、速度計算などを考えます。
序盤から中盤、中盤から終盤へ移行するとき、序盤の考え方から中盤の考え方、中盤の考え方から終盤の考え方へ切り替えることが重要です。
例えば、相手は急戦で中盤戦に入ろうとしているのに、こちらは序盤と思って悠長に自玉を囲って相手の仕掛けに対応できなかったり、相手は終盤の寄せを狙っているのに、こちらは中盤と思って駒得を狙っているなど、序盤、中盤、終盤の切り替えが勝敗を左右することも珍しくありません。
将棋は序盤・中盤・終盤それぞれの考え方が必要になるからこそ、序盤力を鍛える勉強法、中盤力を鍛える勉強法、終盤力を鍛える勉強法の3つが必要になります。
序盤力を鍛える勉強法
序盤は自分の玉を囲って守りを堅めたり、攻めの準備をする駒組みの段階ですが、互角以上の形勢を保つ序盤が理想的です。
序盤力を鍛える勉強法は「定跡の丸暗記」です。
定跡とは、将棋400年という歴史において過去の対局や検討、プロ棋士による研究、近年では将棋ソフトやAI(人工知能)によって最善と結論付けられた指し方です。
自分と相手、お互いに定跡通りの序盤を指し進めると形勢は「互角」です。自分が定跡から外れた指し方をすると「相手有利」、相手が定跡から外れた指し方をすると「自分有利」の形勢になるため、定跡を丸暗記するだけで誰でも互角以上の序盤を戦えるということです。
定跡の丸暗記というと、「せっかく丸暗記したのに相手が定跡通りに指してこない」ということも珍しくありません。
たしかに相手が定跡通りに指してこないと指し方が分からなくなるかもしれませんが、相手が定跡を外してくるということは、相手は最善手を放棄しているということです。
「それって最善手ではありませんよね?」と、その時に咎められるのが一番良いですが、その時に対応が分からなくても対局後に将棋ソフトを使って検討してみることで、相手が定跡を外してきた時の応手を自分の中で確立することが出来ます。
将棋アマ初段ぐらいの棋力では、定跡通りの序盤を正確に指してくる人はほとんどいません。
例えば、こちらは定跡通りのノーマル四間飛車だったとして、飛車を6筋に振って美濃囲いを組んだだけなのに、将棋ソフトはこちらがやや有利という評価値を示すことも珍しくありません。
もちろん序盤の形勢や評価値が勝敗に直結することはありませんが、中盤を指しやすくするために序盤の形勢は互角以上が望ましく、定跡を丸暗記するだけで互角以上の序盤を戦えるということになりますね。
ちなみに私が使っている将棋ソフトは「激指」です。
「激指」は定番の将棋ソフトですが、検討モードで定跡手を学べたり、最善手や次善手を示してくれるので指し方が分からない時に役立ちます。
中盤力を鍛える勉強法
自分から仕掛ける、または相手から仕掛けられることで中盤が始まりますが、中盤には定跡が無いため、自分の実力で最善手を多く指し、悪手を減らすことが大事です。
将棋アマ有段者になると、局面をパッと見た瞬間に第一感の一手が見えるようになります。それが必ずしも最善手とは限りませんが、簡単な局面なら「これしかない」という一手、複雑な局面でも「コレかコレ」と二者択一で見えるため、第一感で見えたその筋だけを読んで指し手を選ぶことができます。
例えば、ABEMAトーナメントのフィッシャールール、将棋ウォーズの1手10秒や3分切れ負けなどの早指し将棋は、すべての選択肢を読んでいるわけではなくて、第一感で見える筋に絞って読んでいるから持ち時間の少ない将棋でも指せるというわけですね。
そして、アマ初段になる為に必要なのは第一感の精度です。
第一感の精度が高いと、第一感で1番良い最善手と2番目に良い次善手が見えるため、その2通りの筋を読んで最善手を指せたり、読み間違っても2番目に良い次善手で済みますが、第一感の精度が低かったら3番目の手と4番目の手を比較するなど、最善手とはかけ離れたところに目線がいくので緩手や悪手になりやすいのです。
第一感の精度、中盤力を鍛える勉強法は「手筋の習得」と「次の一手」です。
手筋とはテクニックのことで、それぞれの駒に次のような手筋があります。
- 歩の手筋(垂れ歩、継ぎ歩、たたきの歩、連打の歩、ダンスの歩、底歩、etc…)
- 香車の手筋(田楽刺し、2段ロケット、歩の裏に香、底香、底歩に香、etc…)
- 桂馬の手筋(ふんどしの桂、継ぎ桂、控えの桂、歩越し桂、吊るし桂、etc…)
- 銀の手筋(桂頭の銀、割り打ちの銀、腹銀、たすきの銀、etc…)
- 金の手筋(頭金、腹金、尻金、送りの金、etc…)
- 角の手筋(攻防の角、遠見の角、両取りの角、控えの角、たすきの角、etc…)
- 飛車の手筋(十字飛車、一間龍、合わせの飛車、二枚飛車、自陣飛車、etc…)
- 玉の手筋(早逃げ、顔面受け、逆王手、etc…)
これは駒に関する手筋(テクニック)の一例ですが、アマ初段以上には必須の手筋になります。
このような手筋を組み合わせることでより効果的になります。例えば、継ぎ歩からの垂れ歩、継ぎ歩からの十字飛車、送りの金からの一間龍からの歩越し桂などです。
また、手筋を習得しておくだけで余計な筋を読む必要が無くなります。例えば、「桂馬が跳ねられたら嫌だな」と考える局面でも、「あっ、桂馬が入ったら吊るし桂で相手玉が即詰みだから桂馬は跳ねて来ないな」と、そこで読みを打ち切れるわけですね。
手筋を習得するなら「将棋・ひと目の手筋」という本がおすすめです。駒別の手筋が書かれているだけでなく、囲い崩しの手筋や端攻めの手筋、受けの手筋や必至の手筋まで書かれているので、初心者からアマ初段まで幅広く読める一冊です。次の一手形式になっているので、第一感の精度が鍛えられるでしょう。
この一冊だけで中盤力は十分鍛えられます。本書は問題集になっていますが、手筋を習得することが目的なので、1問に対して5分考えても解けない時はすぐに答えを見ても大丈夫です。
ただし、将棋アマ初段になるまでは毎日解くことを習慣にしてみてください。毎日10問でも5問でも良いので毎日です。全問解き終わったら、また最初から何度でも繰り返して毎日解きましょう。
終盤力を鍛える勉強法
将棋の最終目標である「相手玉を詰ます」ことを意識し始める終盤戦。一手でも先に玉を詰ませたほうが勝ちというゲームだからこそ、将棋は勝ち切るための終盤力が最も重要です。
敵玉が詰むか、自玉が詰まされるか、という一手を争うような最終盤では、「速度計算」が必要になります。
速度計算とは、「敵玉はあと何手で詰むか?自玉はあと何手で詰まされるか?」という風に、自玉と敵玉が詰むまでの手数を計算し、一直線に攻め合って一手早く敵玉が詰むなら良いですが、自玉が一手早く詰まされるなら、先手を取る受けや合駒請求、攻防手、早逃げなどで速度を逆転させる必要があります。
速度計算の正確性が勝敗に直結すると言っても過言ではなく、速度計算が正確なほど逆転負けする将棋が少なくなり、逆転勝ちする将棋が多くなります。終盤で逆転負けすることが多いとか、勝ち切ることが難しいという人は速度計算が甘いのかもしれません。
速度計算の精度、終盤力を鍛える勉強法は「短手数の詰め将棋」です。
長手数の詰め将棋を解く必要はありません。初心者は1手詰で駒の動き方や詰み形を確認、級位者は3手詰で3手の読みを身に付けます。1問10秒以内に解く、5秒以内、3秒以内という風に、瞬発力を鍛えるために練習します。
そして、5手詰の詰め将棋です。5手詰は解いても良いですし、解かなくても答えを見るだけで良いです。5手詰の詰め将棋は、問題集として活用するのではなく、「詰みの手筋」を覚える為に活用したいからです。
例えば、1手詰や3手詰は「頭金」や「腹金」、「開き王手」や「両王手」などシンプルな詰み手筋が多いですが、5手詰から「焦点の捨て駒」や「大駒を離して打つ」、「玉を危険地帯に誘う」、「移動合い」、「退路封鎖」、「邪魔駒消去」などの詰み手筋が多く出現するため、解かなくても良いので5手詰の答えから多くの詰み筋を覚えるのが大切です。
長手数の詰め将棋を解いたほうが良いと思われるかもしれませんが、長手数の詰め将棋は、5手詰で身に付く詰みの手筋の組み合わせで作られています。
例えば、「捨て駒」→「捨て駒」→「玉を危険地帯に誘う」→「邪魔駒消去」→「退路封鎖」からの簡単な3手詰めという感じです。
実戦で詰ます時は、詰め将棋のような綺麗な詰み手順ではなく、正解手が何通りかあったり、詰め上がりで持ち駒が余ったり、物量でバラバラにしてから並べ詰みや追い詰めというカッコ悪い手順が実戦的で、詰め将棋より実戦で詰ますほうが簡単なので、長手数の詰め将棋を無理に解く必要はないと思います。
速度計算に話を戻します。
なぜ速度計算に詰め将棋が必要かというと、詰み筋を知らないと正しい速度計算ができないからです。
詰み筋を知っているだけで、「龍を切って銀を捨てて歩頭の桂から退路封鎖で敵玉に11手の即詰みがあるから、質駒の桂馬を取った手が詰めろ逃れの詰めろ」とか、「一間龍から詰まされそうだけど、金を使ってくれたら銀の移動合いで詰みを逃れているから合駒請求で速度が逆転する」など、速度計算の精度が高くなるわけですね。
詰め将棋は、浦野真彦八段の著書がおすすめです。
初心者は1手詰で駒の動き方や詰み形を確認、級位者は3手詰で3手の読みを1問10秒以内に、初段を目指す人は5手詰で詰み筋を覚えましょう。
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将棋アマ初段になるまで無理なく毎日やる勉強法
3級ぐらいまで棋力が上がっても、1ヶ月でも将棋から離れると棋力は5級ぐらいに戻るため、将棋アマ初段を目指すなら、初段になるまで毎日勉強するのが効果的です。
逆に、初段の棋力が一度身に付くと、1年将棋から離れても初段の棋力をキープできます。
自転車の乗り方を一度覚えたら、何年乗っていなくても自転車の乗り方を体が覚えている状態と同じく、初段に必要な手筋や詰み筋を忘れることはありません。定跡は記憶が曖昧になりますが。
ということで、時間がなくても無理なく毎日続けられる勉強法をご紹介します。
将棋の対戦アプリで毎日対局する
将棋の対戦アプリ、「将棋ウォーズ」や「将棋クエスト」などは気軽に対局できるため、最低でも毎日1回は対局したいところです。持ち時間は10分切れ負けがおすすめです。
もちろん定跡の丸暗記や手筋の習得、詰め将棋は大事ですが、やはり実戦でしか学べない事もあるので、可能な限り、たくさん対局することで棋力向上につながります。
「負けるのが怖い」といって対戦を避ける人もいますが、将棋はどちらか一方は必ず負けるゲームです。プロ棋士や高段者でも負けます。初心者や級位者が負けるのは当然ですから何も恐れる必要はありません。
- 負けてもいいからたくさん対局する
- 時間切れで負けてもいいからたくさん対局する
- 上手く指せなくてもいいからたくさん対局する
これが大事です。将棋で負けても棋力は確実にアップしますから。
まずは100敗を目標に対局してみましょう。100敗した時、現在と比較して確実に棋力アップしていることを実感できるはずです。
負けた将棋は将棋ソフトを使って必ず検討する
自分が指した将棋を将棋ソフトで検討することで飛躍的に棋力アップします。むしろ自分の棋譜を検討しない限り、将棋アマ初段は難しいといっても過言ではありません。
勝った将棋を検討しながら振り返るのは楽しいですが、負けた将棋を検討するのは正直辛いです。
しかし、負けた将棋こそ棋力アップのヒントが隠れているため、負けた将棋は将棋ソフトを使って必ず検討することを習慣にしましょう。
私が使っている将棋ソフト「激指」だったら、検討モードで一手一手の評価値、形勢判断、定跡、その局面の候補手(最善手や次善手)、詰みがあるかないかのチェックがあるため、「もし、この局面でこの手を指していたら」という風に一人で検討することが出来ます。
ミスしてしまった局面や、指し手が分からなかった局面を検討することで、新しい発見や同じミスを繰り返す確率が低くなります。
まとめて検討するより、一局指すたびに検討したほうが記憶に残りやすいため、対局と検討を繰り返すようにしましょう。
ちなみに将棋ウォーズで指した棋譜は「将棋ウォーズ棋譜検索」からダウンロードできます。
藤森哲也五段のYouTubeチャンネル「将棋放浪記」を毎日観る
昨今、将棋のプロ棋士の方々がYouTubeチャンネルを開設されています。
どのチャンネルも楽しいのですが、棋力アップには藤森哲也五段のYouTubeチャンネル「将棋放浪記」がおすすめです。
将棋放浪記のコンセプトは「見るだけで将棋が上達できるチャンネル」ということで、藤森五段が将棋ウォーズの対局を実況解説している動画になります。
藤森五段は、居飛車と振り飛車の両方を指されるので居飛車党、振り飛車党を問わず、誰でも楽しめる動画になっています。
藤森五段が初心者から級位者向けに丁寧に解説してくれるので、将棋アマ初段を目指している方には当然おすすめですが、プロ棋士の読み筋を実況解説で聞けることはあまりありませんから、有段者にとっても学べることが多く、楽しく拝見することが出来ます。
また、さすがプロ棋士と言いますか、見ていて羨ましいぐらい、指し手が本筋ばかりの美しい将棋です。これから将棋を始められる方、棋力アップを目指している方には必ず参考になりますので、ぜひ将棋放浪記を毎日視聴してみて下さい。
まとめ
昭和や平成の時代は、将棋教室の先生に将棋を教えてもらったり、将棋道場に通わなければ対局も出来ない状況で、プロ棋士の解説はNHK将棋講座やNHK杯が一般的でした。昔は初段になるまでに膨大な時間を要していたと思います。
しかし、今は将棋の環境が整っているため、正しい勉強法を続ければ誰でも将棋アマ初段になれる時代です。将棋に興味がある方は将棋アマ初段を目指してみては如何でしょうか。